真実を追い求めた男は世界の外に何を見るのか?
主人公のトゥルーマンは赤ん坊の頃から巨大なTVセットのなかで生活し、そのすべての行動を全世界中継されている男だ。
彼が生活している街はすべて作り物であるし、彼の友人や会社の同僚はもちろん街のなかにいるすべての人物が役者という偽りの世界のなかで数十年過ごしてきた。
そんな彼の日々を生放送しているTV番組『トゥルーマン・ショー』は全世界で話題となり、高視聴率を叩き出している。しかし、彼自身はTVセットの外の世界のことについて一切知らないため、自分が有名人であることすら知らない。
あるとき彼はとある事件をきっかけに「自分が生きている世界は作り物ではないか」と疑い始める。TV番組のプロデューサーは彼にTV番組であることを悟らせないため、彼の友人や妻(もちろんすべて役者)を使い、「トゥルーマンの勘違いである」というシナリオを作り彼の疑いを払拭しようとする。
彼らの説得に納得したように見せたトゥルーマンであったが、それは彼が産まれて初めて行った演技であった。外の世界へ行くため監視カメラを掻い潜り、大海原へと出航するトゥルーマン。彼が外の世界へと脱出しようとするのを、さまざまな手を尽くして妨害しようとするTVプロデューサー。
偽りの世界の果てにたどり着いた時、彼らの交わす言葉は父と子の会話そのものであった。