ハリガネサービス

3eRei-Sho1118のレビュー・評価・感想

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ハリガネサービス
8

何か一つを極めるということ、その難しさ…

・ハリガネサービスってどんな漫画?
主人公の下平鉋(しもだいら かんな)は中学時代に足のケガによりバレーで重要とされる「ジャンプ」をすることができなくなりました。それでも大好きなバレーを続けるべく、サーブの練習をひたすらに重ねることで「誰にもとることのできないサーブ」を身につけます。そんなサーブを見た豊瀬高校のバレー部監督・山縣三郎に声をかけられ、下平の高校バレー生活がスタートします。そこから仲間とともに成長し、高みへとのぼってゆく青春スポーツ漫画です。

・ピンチサーバーという職人から一人のバレー選手へ
ピンチサーバーとは、バレーの試合のなかで「サーブだけ」打つために交代してコートに立つ人のことを指します。下平はあまりにも凄まじいサーブでピンチサーバーとして中学時代強烈な印象を残しました。他のスポーツでは野球における「代打」のようなものですが、下平の放つサーブは「サーブだけのエース」と称されるほどでした。そんな下平が豊瀬高校に入り、個性的な仲間たちと出会うことによってチーム一丸となり、ずっとコートに立ち続ける選手へと成長していきます。チームの面々や登場してくるライバル校の選手も下平のサーブに匹敵するような長所の持ち主が多く、いろいろなプレイスタイルが読み進めるごとに登場するので退屈することなく読み進めてしまいました。

・最強のライバルであり親友だった選手の登場
豊瀬高校でバレーボール選手となった下平ですが、勝ち進んでいく先でかつての親友と再会します。羽座川 扇(はざかわ おうぎ)とは一緒にバレーボールをした仲でしたが、とある事情により別々の進路に進むことになった過去を持つ下平。話が進むにつれ、羽座川の「音のしないレシーブ」はかつてのプレイスタイルとはまったく異なるものだということがわかります。二人の過去が明らかになるあたりのお話は、胸が熱くなり引き込まれる部分でした。

下平以外の選手もとても個性的で、笑いあり青春あり、ちょっぴりラブコメあり、そんなハリガネサービス、おすすめできる作品ですのでぜひ読んでみてください。