夢を追う勇気をもらった
この作品はトップモデルを目指す少女、藤戸千雪と、ファッションデザイナーを目指す少年、都村育人の物語。
千雪の欠点は、モデルとして決定的な弱点である身長の低さ。なかなか評価してもらえない彼女だが、ウォーキングの技術には長けており、トップモデルをも圧倒するオーラを放つこともある。父が社長を務めるモデル事務所「ミルネージュ」に所属しており、持ち前の負けん気と意識の高さでトップモデルを目指す姿には、無謀と言われる夢を追う勇気をもらえる事だろう。
そしてデザイナーを目指す育人は母子家庭の4人兄妹の長男。病気で入院する母を助けるため、当初は夢を諦めて就職しようと考えるが、家族が背中を押すことでデザイナーになることを決意する。幼いころから洋服を作り、パタンナーとしての素養はかなりの物。高校で千雪に出会ったことがきっかけに、ファッションブランド「HAJIMEYANAGITA」で技術を学ぶ。
才能がある育人は、服飾大学の学芸際にゲスト参加としてファッションショーに参加する。注目を集める作品を作り上げるが入選には届かず。しかしバイヤーの目に留まり声をかけられるなど、確実に夢への道を進む。
環境に恵まれなくても困難を跳ね除けながら夢を叶えていくふたりの姿に、尊敬と感動を覚える。その他にも、長谷川心や綾野遠など、登場人物それぞれに夢を追いかける物語がある。
夢の大切さと、夢を叶えるための勇気、努力、苦しみ、喜びを教えてくれる素敵な作品である。