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King's Xというミュージシャンズ・ミュージシャン
「知る人ぞ知る」「ミュージシャンズ・ミュージシャン」と呼ばれるハードロック・バンドがある。それが「King's X」である。
80年代後半のアメリカにてデビユーした彼らは、先に述べたようにハードロックというジャンルに位置するのだが、そのサウンドはファンク、ソウル、R&B、プログレ、メタル、ゴスペルなど様々な要素を含んでおり実にユニークである。驚異的な音楽性の懐の深さなのだが、驚きなのは、これが3ピースバンドであることだ。
ボーカルのダグ・ピニックはブラック・ミュージックをルーツに持ち、その声は実にパワフルかつソウルフル。バックにギターのタイ・テイバーとドラムのジェリー・ガスキルのビートルズライクなコーラスが重なる。ギターは知的なソロから重厚なリフ、壮麗なアルペジオまで奏で、ドラムはタイトなエイトビートから自由自在に変拍子を叩く。レフティのベースは幾分ラフに歪んだ音を刻み、それらが混然一体となってヘヴィなサウンドを作り上げている。
ハードロック・ファンはもちろん、面白い音楽を探している方はこれを聴き逃すのは損というもの。ぜひ一度、彼らの音楽世界に耳を傾けてみてほしい。最初に聴く曲としておすすめは「Over My Head」や「Goldilox」。アルバムなら「King's X」だ。