ブレイブ -群青戦記-

yukkos7のレビュー・評価・感想

レビューを書く
ブレイブ -群青戦記-
6

いい意味で裏切られた作品

ツッコミどころ満載の、いわゆるB級映画ファンです。原作未読で映画のみ最後まで見ています。
CMで予告が流れてきた時の、「アスリート高校生VS織田信長」という、中学生が一度は考えそうな設定の作品に惹かれ、ちょっと面白がるような気持ちで映画を見ました。
開始3分で高校生たちの日常が崩れ去り、学校に残った生徒や教師のほとんどが野武士に惨殺されていくシーンはまさに、デス・ゲーム的設定の作品のセオリーともいえる数減らしを披露。
さらに生き残った中から「500の兵を率いた織田信長と戦う意思のある高校生のみ」が選抜され、実質500VS20数名で織田信長と戦うことになります。
ここへ「誰が何役かもはっきりしないまま、合戦のなかひたすら仲間の名を叫びながら戦う」等の展開であれば、まさにお約束のストーリーが繰り広げられたことでしょう。
しかしこの作品は、役名・所属している部活・大会等での実績くらいしかはっきりとはわからないキャラクター達に、特撮や舞台での経験が豊富なキャストの方々が素晴らしい演技で華を咲かせてくれて、正直、ストーリーはチープな部分があるものの、本気で命の取り合いをするキャスト陣の数々の名演技とアクションに、見る前に抱いていた「なんかちょっと面白そう」くらいの気持ちはすっかり消え、いつのまにか最後まで見入ってしまっていました。
また、若くして亡くなられた三浦春馬さんの遺作でもあり、彼の徳川家康はとても輝いていました。