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周りの音に意識を向ける取り組みをしたジョン・ケージ
ジョン・ケージは、音とは何かを探し求めた作曲家です。
彼は、私たちの日常生活で行うような何気ない動作までも、音楽として作り上げました。
例えば、料理の音、椅子の音、様々な音を題材として曲を作り上げました。
その中でも、代表曲として有名なのが『4分30秒』という曲になります。
この曲は、音楽なのに音を出さないことが最大の特徴です。それは、ステージに上がってから、ピアノの前に座り、演奏終わるまでじっと待つことです。
その間には、様々なことが起こります。見ている人の咳や鼻をすする音、椅子の音、衣服の擦れる音。
こうした様々な音を一曲として、創り上げたすばらしい人です。
またジョン・ケージは、鳥の鳴き声や環境の様々な音を楽曲として使った人物です。
彼の最も優れた功績は、音を聴く私たちに『音とは何か?』を改めて問い直したことにあります。
こういった素朴な質問を投げかけてくれるミュージシャンは、とても素晴らしいです。また、彼は曲を通して、音をどのように聴くのかを問いかけていました。
なぜなら、何も音の発さないコンサートホールで音を自分なりに感じないといけないからです。
この営みは、とても簡単に行えることではありません。そして、音楽の領域の中で「サウンドスケープ」なるものがあります。
これは、自らの周りにある音の環境を聴くことを指しています。ジョン・ケージの功績が、新しいジャンルを作るきっかけになったのかもしれませんね。
だからこそ、私は彼をおススメします。