100日間のシンプルライフ

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100日間のシンプルライフ
7

心に穴が空き、モノで埋める。シンプルライフ入門書。

ミニマリストになるための映画、というより家族や友情、恋愛に関する物語でした。
物を少なくすることをエンターテイメントとして見ようとしている人は肩透かしにあう可能性がありますが、物語としては面白い題材です。
シンプルライフの精神面を学ぶにはもってこいの作品です。
伏線も散りばめられています。最後、アプリを奪ったスティーブ・ジョブズとマーク・ザッカーバーグを足して2で割ったようなキャラクターに反撃するところはスカッとしました。

残念だった点
主人公の二人が裸の状態から1日1つモノを取り戻し100日間生活して根を上げた方が負けという勝負をするのですが、
仕事中に飲み物を拝借したり部下の社員を使ってチートをしていて本当の生活というよりかはエンターテイメントの側面が強いです。
本気で断捨離を具体的に促進する作品という訳ではないので、ミニマリストに憧れて具体的な実践法を知れると思ってもあまりピンと来ないです。
また、祖母の死があっさりしているところも残念でした。

良かった点
全裸から自分の大切だと思っているモノや考え方、人について向き合うきっかけを与えられます。
買い物依存症も一つテーマに組み込まれており、考えさせられます。
ミニマリズムの本質である、最小限の大切なものに囲まれて過ごすという考えが最後の場面で登場して感動しました。