不機嫌なモノノケ庵 / The Morose Mononokean

不機嫌なモノノケ庵 / The Morose Mononokean

『不機嫌なモノノケ庵』とは、ワザワキリのマンガ作品であり、2016年にテレビアニメ化された。
主人公である芦屋花繪(あしやはなえ)は妖怪など全く信じていなかったが、ある日突然、妖怪に憑かれてしまう。それをきっかけに安倍春齋(あべのはるいつき)と出会い、妖怪祓いの仕事をすることに。仕方なく始めた妖怪祓いだったが、次第に妖怪への理解を深めていくのであった。

mimikstyleのレビュー・評価・感想

不機嫌なモノノケ庵 / The Morose Mononokean
8

妖怪のために祓う『妖怪祓い』が熱い。

ふとしたことで妖怪に取り憑かれた主人公の芦屋(あしや)が、妖怪を祓える安倍(あべの)と出会い、助けてもらったことから、妖怪と関わっていく。
一見すると王道妖怪ストーリーのように思えますが、安倍は妖怪のために妖怪を隠世(かくりよ)に祓うという妖怪第一主義者で、隠世に祓って貰いたい妖怪の依頼をうけて、現世(うつしよ)と隠世の扉を開くモノノケ庵の主。芦屋は、取り憑かれた妖怪を祓ってもらった料金が払えずにモノノケ庵でバイトをすることに。
モノノケ庵で出会う妖怪は、気の良い妖怪もいれば人間嫌いの妖怪もいる。妖怪と人間の関わり方や、妖怪の思いを少しずつ理解しながらバイトを続ける芦屋と、人間から距離を置いて妖怪のために働いてきた安倍が、芦屋と仕事をすることで少しずつ変わっていく。
式神や陰陽術のような派手な見せ場はなく、誠意ある言葉と行動で妖怪のために尽くす『妖怪祓い』は読んでいて心が温かくなります。隠世の存在や、モノノケ庵に関わる人間、妖怪も含め様々な謎も散りばめられていて、先のストーリーも気になりますが、個々の妖怪との関わり方も丁寧に描かれているので、この世界にずっと浸っていたくなるような魅力のある漫画です。