斉藤和義 シンガーとしてライターとして
今は音楽好きな人にはかなり名前が売れているであろう斉藤和義だが、初めて聞いたころはまだ一般的ではなかったように思う。
テレビ番組の「ポンキッキーズ」で彼の「歩いて帰ろう」が使われた事で、かえって幼児やその親たちの方が耳になじんでいたのではないだろうか。
その後、2007年くらいからCMとのタイアップなどでどんどん名前が売れていくのだが、その後も私のベストワンはしつこくも「歩いて帰ろう」である。
あの声であの曲を歌われると、一気に良い意味で脱力し、癒される。
もちろん、レコード大賞優秀作品賞を受賞した「やぁ 無情」や、そのほか「歌うたいのバラッド」や「やさしくなりたい」だって曲としても素晴らしいと思うし、
シンガーソングライターのライターとしての部分も素晴らしいと思う。
彼の発する言葉は、下ネタばかりだと言われたころ、ちょっとそれはどうなのだ、と思われる点もあったのだが、
歌詞にはやさしさがにじんでいるのがうれしかったし、なんだかワルを気取って斜めから世の中をみているようでいて、
底の底には温かさが透けて見えるのがうれしいところでもある。
年齢を重ねてそうなってきたのだとも言えるのだが、ものを作る人間として、生きてきた時を重ねて変化していくというのも、だからこそ人間。
機械が作っているわけではないのだ、とも言えるわけで、やはり彼の作品はこれからも注目していきたいと思えるのだ。