完成された壮大な世界観とリアリティのある絶望感、人を選ぶ作品。
可愛い絵柄に侮ることなかれ。
彼女達の冒険譚は他作品では味わうことのできないような希望と絶望に満ちた混沌としたものである。
全てが何もかも上手くいく、勧善懲悪、ハッピーエンドといった美しい物語ではなく、メリーバッドエンドと呼べるような展開が多い。
しかし、現実にも綺麗なハッピーエンドなど存在しないように、光があれば闇もある。
それを如実に表現した作品であると思う。
主人公の少女と少年型ロボットによる冒険が何を生み、どう影響していくのか目が離せない作品になっている。
普通のハッピーエンドが物足りなくなった人やご都合主義展開に飽き飽きしている人にこそ見て欲しい。
また、ファンタジー溢れる世界観により現実ではありえない美しい自然風景や奇形の怪物、不思議なアイテムなど、様々な要素があるが、
どれもこれもその場限りのものではなく、全ての要素が伏線かと思われるほどに細かい要素が後々響いてくる。
作者の中で完成された世界観が頭にないと難しいほどに綺麗に伏線を回収してくれる(時に読者が伏線に気付かないほど)ので、非常に見応えのある作品になっている。
ただし、作中での表現にはかなりグロテスクなものもあり、2020年1月に公開された映画「メイドインアビス-深き魂の黎明-」はR15+となっているほど。
画面のインパクトは当然のことながら、ストーリーの展開もなかなかに鬱々としたものもあるため、かなり人を選ぶ作品であることには間違いない。
自己責任での視聴、購読をオススメする。