東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜

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東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜
5

本で何度も泣いたから、映画のあっさりした世界に少々拍子抜け

本を読んだ後だったので、映画があっさりしすぎてる感じだった。
本は基本的に内容が濃く、細かい描写があるものなので映画編が割愛されてるのは仕方ないけれど、
「泣きどころ」と「笑えるところ」がなかったのが惜しい。
おかんが、亡くなるシーンをはずしてお葬式がはじまっていたのには唖然とした。
本ではおかんが亡くなった後、息子が髪を撫でて口にキスをしている。
本の世界なので想像しただけで泣けてくる。
宴会でおかんがお面をつけて登場するシーンはここ一番!という笑えるシーンなのに、
樹木希林は静かに照れながら出てきてしまい、もう少し思いっきりがほしいところ。
とは言えベテラン俳優樹木希林が考え抜いたイメージでそのように演じたのかもしれないが、本のおかんとのキャラクターにかなりギャップがあった。
樹木希林のおかんは、静かに佇んでいて、どっしりと構えた印象だが、本の中のおかんは本当に無邪気で明るくチャキチャキして三枚目なキャラクター。
ほかの女優で言えば宮崎美子に近い。
高畑淳子でも上手く演じてくれそう。
色々書いてみたけれど、本を読んでいなければ何の先入観もなかったと思う。
単調で抑揚がないけれど、温かくじんわりした仕上がりになっているので全く別のものとして捉えて見ると感動する映画なのかもしれない。