酔拳2

酔拳2

『酔拳2』(原題:醉拳II、英題:Drunken Master II)とは、1994年のジャッキー・チェン主演の香港映画。1978年に公開され、世界中でヒットとなった『ドランクモンキー 酔拳』の続編。ただし、酔八仙(拳)と父親と「歴代の先祖達が眠っている土地が鍵」という設定以外前作とのつながりはない。
清朝末期の広東。フェイフォン(ジャッキー・チェン)は酔八仙(酔拳)を使えるものの、酒の勢いで暴走してしまうことから、父から酔拳の使用を禁じられていた。ある日、フェイフォンは医師である父と使用人と3人で生薬を購入するために満州へ来ていた。列車で帰路につく途中、朝鮮人参は課税対象品だったため、フェイフォンはイギリス領事のカバンへ朝鮮人参を隠して申告を逃れる。列車が立ち寄った休憩所で、朝鮮人参を回収するために領事の乗る車両へ忍び込んだフェイフォンは、領事のカバンから箱を盗むフク・マンケイ(ラウ・カーリョン)と遭遇。フェイフォンは朝鮮人参を懐に、箱を盗んだマンケイを追い、一戦交えながらも打ち解ける。しかし二人は箱を取り違えており、マンケイは朝鮮人参を、フェイフォンは玉璽を手にしていた。玉璽を盗まれたイギリス領事側は、フェイフォンが犯人だと断定し、付け狙うのだった。

ikiterubouzu5のレビュー・評価・感想

酔拳2
9

ジャッキーアクションの集大成!

言わずと知れたジャッキーチェンをスターダムに押し上げた『ドランクモンキー酔拳』の第二弾である。
「続編」と言わなかったのは、前作との繋がりがないためだ。
赤鼻の師匠こと『蘇化子』も出てこなければ、殺し屋『鉄心』の話も出てこないので、前作を見ていない人も何の問題もなく楽しめる。
カンフー映画全般に言える事だろうが、ストーリーなんかあってないようなものである。
純粋にアクションの出来を楽しむものだ。
変にこねくり回したストーリーより、ボーっと見ていてもわかる単純明快なストーリーの方が良い。
そういう意味で『酔拳2』は名作である。
端から悪役は悪役として登場し、それをジャッキーが流麗なアクションでバッタバッタとなぎ倒す。(時にはやられるけど…)
『ドランクモンキー酔拳』の頃とは違い、本作のジャッキーの酔拳は円熟味を増している。
酔拳のような柔らかい動きで戦うと嘘くさくなるものだが、ワイヤーアクションの使いどころの見事さも相まって、
2のジャッキーの殺陣は舞のような流麗さを持ちながら力強く、嘘くささを感じさせないものとなっている。
アクションの時に魅せる長袍(チャンパオ)と呼ばれる裾の長い中国服の裾捌きや扇子などの小道具の使い方は、音楽を奏でているように戦闘シーンを盛り上げる。
『プロジェクトA』の時計台落ちのようなド派手なシーンこそないものの、ジャッキー映画の集大成ともいえるおススメの一本である。