人外キャラとの異文化交流?異類婚姻譚「魔法使いの嫁」
舞台は現代・イギリス(イングランド)。
特異体質をもつ日本人の少女・羽鳥チセと異形の魔法使い・エリアスの交流を中心に描いた、西洋的な魔法の登場するファンタジー作品です。
コミックブレイド掲載で、2017年にはアニメ化、2019年からは2回舞台化されています。
コミックスは2021年3月に15巻が発売されています。
タイトル通り、「嫁」として連れてこられたチセですが、
家族を失い、周囲から孤立していた過去から「自分」を大事にできず、序盤はひどい目に遭ってしまうことも度々。
連れてきた肝心のエリアスも、元々人ではないために、人がやる「かたち」を真似るばかりで人の心の動き、感じ方考え方は全く分かっていません。
最初は中々噛み合わない二人ですが、互いを知り、周囲のヒトやヒト以外のモノと交流する中で、絆を深めていきます。
自分のこと、ヒトの社会のこと、ヒトならざる生き物の世界、そして相手のことを分からないなりに理解していくのです。
二人に巡り来る事件の数々は、もちろん現代の私たちが出会うものではありませんが、キャラクターは別です。
ブラウニー、リャナンシー、ウィル・オ・ウィスプなどなど、西洋的なファンタジーが好きな人なら聞いたことのある伝説や生き物がどんどん出てきます。
知らない言葉や話を改めて調べてみるのも楽しいです。(知らなくてもお話が分からなくなったりはしませんよ!)
恋愛モノを求めて読む人には、甘さが控えめに感じられるかもしれません。
でも、二人が互いに寄せる強い信頼や、ふと見せる甘えた様子などは読んでいて十分キュンときます。
西洋的なファンタジーがお好きな人にはぜひオススメしたい作品です!