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みんなが言うほどではない。
よくありがちな突然病気で余命宣告されるという話で感動や悲しさはあるが、特別いいわけではない。
実話を元に作成されているため仕方ないのかもしれないが、特別なオリジナリティーは感じられなかった。
しかし、太郎と千恵の交際の始まりや、千恵が乳がんを再発して太郎の元を離れる場面などはドラマティックすぎずリアルである。
大きな展開やドラマティックで感動するようなシーンは特にないが、それが逆にとてもリアルで共感できる場面が多いと思う。
千恵の母も卵巣癌と診断され亡くなっており、大切な人に先立たれる悲しみを知っているからこそ太郎からの告白を断ったり、
妻に先立たれ今度は娘が癌に侵される残酷な現実を受け入れるしかない千恵の父の心情などを丁寧にリアルに描かれている。
千恵の病気を知ってもなお千恵を愛した太郎の愛の深さもにも感動が誘われる。
病室で徐々に弱っていく千恵に接する太郎と父の姿が健気で切なさを感じた。
ウエディングドレスを着たいという千恵の願いをサプライズで叶えてあげたシーンは幸せだったろうなと考えさせられるものがあった。
これほどいいシーンがたくさんあるが、世間で騒がれていたほどのものではないというのが正直な感想である。
感動はもちろんしたがよくある展開で先が読めてしまった。
よく言えばリアルだが、ストーリー性が欠けているように感じた。いいものだと思うが薦めたいとまでは思わない。