娘の友達

hikarod2のレビュー・評価・感想

娘の友達
3

やってはいけないことをやってしまったな。

娘の友達と特別な関係を持ってしまうという着眼点は面白い。が、何かが足りない。
主人公の晃介も、娘の友達である古都も、周囲からあまりにも責められていない。
もっと話がこじれ、娘である美也が精神に異常をきたすなどの展開があっても不思議ではない。
中年男性が読めば胸を高鳴らせ、あわよくば!と思わずにはいられないような内容かもしれないが、
一般的に漫画を買い求める年代である中高生、あるいはオタクには受け入れ難いストーリーではないだろうか。
時折、ポエムのような晃介の自分語りが入るのも、思春期の女子には受け入れ難さがあるだろう。
全く現実的ではない設定だからこそ、面白いのかもしれないが、「一番好きな漫画!」とは言いにくい作品である。
オンラインで無料配信したとしても、主婦が読めば眉を顰めるような内容に仕上がっている。
しかし、誰しもが外では「自分を偽る」ことがある程度の常識となっている現代において、
「誰かの前だけでは本来の自分でいたい」と思う気持ちには共感が出来る。
絵も細部まで美しく描かれていて、好感が持てる。ジャケ買いする人も多いのではなかろうか。
完結済みの作品だが、最後までモヤっとした感じが残り、爽快感や感動は薄い。あまりおすすめはできない。