探偵はBARにいる

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探偵はBARにいる
7

探偵のキャラクターが魅力

シリーズ1作目。barでカクテルを飲みながら仕事の依頼を受けたり、ひと仕事終えてbarに戻ってきてオセロの続きをやるなど、昭和の香りのする雰囲気が楽しめる映画。ハードボイルドなのに主人公の役者の演技はコミカル。軽快なタッチで、かなり観やすい。主人公はハードな状況を笑いに変える男であり、危険なニオイのする依頼からスパッと引けない男でもあり、鋭い嗅覚で事件に切り込んで行く一方で依頼人に情をかけてしまう男である。観ていくうちに主人公のキャラクターの魅力に目が離せなくなり、最後まで惹き付けられてしまう。主人公の相方の不思議な存在感もあり、味なコンビのやりとりも楽しめる。脇役の役者達もなかなか豪華な顔ぶれだ。美しく魅惑的なヒロインも華を添えている。謎解きというより、事件とその関係者達の人間ドラマの要素が強いので、そこを楽しめる人向きの作品である。舞台となっている札幌の街や、小樽などの北海道ならではの風景も見所だ。札幌すすきのは俺の街だ、と冒頭で主人公が言った瞬間からハードボイルドの世界に浸ることができ、気がつくと終わりまで観ているのである。お酒を片手に観るのもおすすめ。