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流行りを取り入れつつもブレのないP!NK節
P!NKを語るに欠かせないのは、やはり彼女のハスキーでパワフルな歌声。
ロックな曲には抜群の相性だが、EDM、バラードにはどうなの…?と思っている人がもしいたら、そういう人にこそ聴いてもらいたくなる一枚が「Hurts 2B Human」。
繊細さだけが、細やかで美しい訳じゃない。
感覚を直接揺さぶるような魂への訴えかけ。心の琴線に触れる唯一無二の歌声だ。
端的に言ってしまうと、弱くてやさしい人は結構いる。(弱くて、というより繊細な)
強くてやさしい人は、なかなかいない、と個人的には思うところがある。
強さを履き違えてしまった人は、人を攻撃してしまうから。振りかざしてしまうから。
P!NKはとても繊細で強い人なのだ。心の機微を受け止めて、解放して、こうして届けてくれる。
心の拠り所を、きっと誰よりも理解してくれている。
楽曲に人間性のすべてが表れるとまでは言わないが、やはりそこはアーティストの宿命とでもいうべきか、ホンモノかニセモノかという判断を素人はしてしまいがち。
リスナーは、結局のところ与えられたものでしか判断できないから。
それでも声高に「P!NKはホンモノだ!」と叫びたくなるのは、彼女の楽曲に魅せられてしまったからだというシンプルな理由からなのだ。