身体全体に響き渡るような音楽!
藤井風。
初めて彼を知ったのは、某音楽アプリが「あなたにおすすめ」してくれたからだ。
車での帰り道、わたしはいつものように音楽を聴いていた。
そこで突如流れた曲。それが彼のファーストシングル「何なんw」である。
まさにわたしはつぶやいていた。「なんなんこれ…」と。
イントロからある種の違和感のような、「ん?誰の曲これ?」となり、途中の舌打ちに衝撃を受け、一発目の声でもっていかれたのである。
ハスキーな声とか、天使の声とか、透き通るような美声とか、声の表現は様々あれど、彼のそれは一言ではとてもじゃないけど表現できない。
あえていうなら「子宮に響く声」「血液が騒ぎ出す声」という感じだろうか。
とにかく耳ではなく、身体全体に響き渡るような声なのである。
彼が紡ぎだす音楽もまた素晴らしい。
どこか懐かしい歌謡曲のようなメロディラインなのに、歌詞はいまどきな言い回しになっていたり、方言が使われていたりして新しい。
一歩間違えるとダサくなってしまいそうな歌詞も、彼が歌うとジャズのようなブルースのような、どんなジャンルにも縛られないようないろんな音になってわたしの身体にするっと届く。
もちろん彼の魅力は声だけではない。
ルックス、スタイルは言うまでもなく抜群。
ピアノを這うあめんぼのような長い指。
女性だけでなく男性をもトリコにする人間性。
歌っているときは年上のようにセクシーなのに、しゃべっているときは甘え上手な年下になるカメレオンのようなミステリアスさ。
今後も彼の声と音楽がわたしのエネルギーになることは間違いない。