全てがボーダレス。捻くれているようで真っ直ぐな感性が魅力のミュージシャン。
第62回グラミー賞主要4部門を含む5部門を受賞、その他各国で数々のビッグタイトルを最年少受賞しているビリー。日本ではドラマとのタイアップもされた世界的ヒット曲「bad guy」で認知度が広がった。耳に残る独特な音楽、ハスキーで囁くような歌声、少しホラーなMV。同世代のティーンに熱烈に支持される歌詞。圧倒的な個性と感性をイメージづけた。けれど数々の賞を受賞している彼女は振り幅がすごい。デビューに繋がった「Ocean Eyes」は透き通ったハイトーンで丁寧に歌い上げる、静かなメロディラインが印象的な名曲。歌詞の彼女らしさは当時から変わらないが、曲の印象や歌声が全く違うので最初ビリーが歌っているとは気が付かないかもしれない。彼女の声の美しさに改めて魅せられる一曲だ。
そんな音楽的才能を爆発させている彼女だが、生き方もとても魅力的だ。「ドラッグはしない。自分には面白く感じないから」「自分の全てを世界に知ってほしいとは思わない」。インタビューへの答えは一貫して真っ直ぐ。自分の感じることを臆することなく素直に言葉に表現するのだ。それは怖い物知らずの自信たっぷりなものとは違い、弱さも脆さも隠さない等身大の彼女の言葉。歌詞にも表現される不安や悲しみ。捻くれてどうしようもない感情。その全てを真っ直ぐに音と声で表現してくれるビリー。ファンへ向けた「私も苦しいよ。一人じゃないよ」と語りかける歌詞に音楽に、年齢性別関係なく多くの人が魅力を感じてしまうのだ。