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男らしいレオニダス
古代ギリシャの都市国家スパルタと、ペルシャ帝国の戦いを史実と創作を入り交えて作った、2006年のアメリカ映画である。侵攻してくるペルシャ軍を、スパルタ率いるギリシャ軍が迎え撃つテモピュライの戦いが、ストーリーのベースになっている。
主人公はスパルタの王、レオニダス1世。敵国の王は、ペルシャ軍のクセルクセス1世である。
本作の最大の魅力は、レオニダス王の勇壮な姿だ。主演のジェラルド・バトラーの、王者としての威風堂々とした姿が、映画本編で存分に表現されている。彼の国家と自分の家族を守るという強い意志が、物語後半に、戦争の参加に否定的だった、他の都市国家の参戦を呼び起こす。
一部の評論家の意見に、「レオニダス王やスパルタ兵の筋肉はCGではないのか?」という批判もよせられたが、制作サイドはこれを否定している。戦いのシーンのスパルタ兵の筋肉の躍動感は目を見張るものがある。
個人的に一番おすすめなシーンは、戦争初期のペルシャ軍を迎え撃つ、スパルタ兵の戦闘陣営ファランクスである。この統制のとれた美しさが見ものだ。ファランクスで固められたスパルタ軍は、王の掛け声で盾で敵の矢を防ぎ、相手の進行を妨げる。王の掛け声で、盾の間から槍で敵を射殺す。
ラストの王の玉砕シーンも心に響くが、CGも含めて古代の戦いを、現代の感覚で表現するストレートさが素晴らしいと思う。