ダブルアーツ

ichi1nanad5のレビュー・評価・感想

ダブルアーツ
8

主人公と手を離してしまえば、死んでしまうヒロインとの旅

人が消えて無くなってしまう奇病が蔓延し、それが肌に触れた相手にも感染してしまうことから、苦しむ感染者に家族はどうすることもできず見守るしかできません。

しかし、その奇病への耐性が高いシスターたちが存在します。
彼女たちが感染者に触れることで、一時的にその症状を緩和し、苦しみを抑えて消滅を遅らせることができます。

その対処法は無条件にで来るわけではなく、シスターが感染者の奇病を自身に感染させることで対処しているだけ、という形です。

シスターも耐性が高いというだけで、自身に蓄積させた症状は彼女たちをも蝕み、いつかは消えてしまう運命にあります。

ヒロインのエルレインも対処後に発症し、消えてしまう直前にもう一人の主人公、キリに触れられたことで症状が無くなりました。
しかし手を離すと再び症状が現れ、また、感染者でもあるシスターに触れたにも関わらず、キリは感染していないことがわかります。

キリは特殊な能力「フレア」を持っていて、それは手を繋いだ相手と自分の力を倍にするというものです。これは手を繋ぐ人数が3人になれば3倍に、10人が繋がれば10倍になるため、協力することで巨大な物を持ち運ぶこともできます。

二人はシスターとフレアの能力を消そうと狙う刺客と戦うために、ダンスのように手を繋いだまま戦う「ダブルアーツ」を開発します。

残念ながらここから物語が盛り上がる、というところで連載が終了してしまいました。
しかし、作者がしっかりと作り込んでいたという本作は、最終回にもその片鱗が見え、エルレイン達が旅を無事に終えて奇病を解決したらしきことがわかります。