ヨルシカ / Yorushika

ヨルシカ / Yorushika

ヨルシカとは、日本の2人組ロックバンド。メンバーは、ギタリスト兼コンポーザーのn-buna(ナブナ)と、ボーカルのsuis(スイ)との男女2人。結成は2017年。2012年からボカロPとして活動していたn-bunaが、ワンマンライブにゲストボーカルとして参加したsuisと共に結成した。
2019年、セカンドフルアルバム[『エルマ』で、ユニバーサルJよりメジャーデビュー。ヨルシカという名前は、1stミニアルバム『夏草が邪魔をする』の収録曲である「雲と幽霊」という楽曲の歌詞“夜しかもう眠れずに”という一節に由来している。
また、鹿の目のようなデザインのロゴマークは、月と月が向かい合った形がモチーフになっている。中央のラインは時計の針も表しており、“6時から夜”という意味が込められている。
n-bunaには「ヨルシカ自体も1つの作品である」という想いがあり、作者が作品より前に出ないよう、顔や詳細な情報は非公開である。

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ヨルシカ / Yorushika
9

ヨルシカ初の配信ライブ レビュー

2021年1月、ヨルシカ初の配信ライブ開催。普段から素顔を見せない男女2人組のユニットだが、今回の配信ライブでも素顔を見せることはなく、魚たちが悠々と泳ぐ巨大な水槽をバックに生演奏でのライブ配信。時折、映されるボーカルのsuisの手元や、椅子に腰をかけて歌う青いワンピースのシルエットが、時に不安げで、時に力強く、ヨルシカの歌詞の世界観そのものを体現していると感じた。特にボーカルsuisの歌声の魅力は、その類まれな表現力の中に見え隠れする不安感にある。歌声を聴けばまるでいつも泣いている様だ。そして静かな怒りを感じる。
ライブの始まりは「藍二乗」。疾走感のあるメロディーに佇む空っぽな主人公が叫ぶ。
「人生は妥協の連続なんだ そんなこととうにわかってたんだ」
「人生の価値は 終わり方だろうから」
空っぽな主人公のもがきや葛藤を静かに歌い上げる。音楽は止まらない。魚たちは泳ぎ続ける。ライブでは、もがきながらも生きることをやめない人間を描く、ヨルシカの楽曲を存分に表現されていた様に思う。ラストの「冬眠で」は音楽がフェードアウトするまで、この世界が無限にループする様な感覚さえ覚える。このライブがいつ始まりいつ終わったのかがわからない演出になっていて、気が付けばまた最初に戻っている。映像化もされているので、ヨルシカの世界観をより聴覚だけでなく視覚でも捉えたい方には是非おすすめしたい。