ゲームの基礎であり、人生の基礎
言わずと知れた名作。緑の服のエルフのような見た目の主人公、一見チープにも見えるデザインのキャラ達からは想像もつかない、物語の深さがある。プレイ後の推測もいくらでもできる名作。
初めてリンクがデクの木に会いに行くまでの冒頭プレイでも、すでに全キャラクターに意味がある。コキリ族の一人に話しかけただけでは物事は解決しない。一人ずつに話しかけ、盾を手に入れ、剣を手に入れ、一つずつのイベントをコツコツと進めることで、物語の全容が掴めるようになっている。一回ではあきらめない、同じこと、少し違うことを一つずつ試していく。大人になってから、社会に出てから、生きる上でこの粘り強さはすべての基礎になる。このゲームはその基礎を作ってくれた。この世界の全容を知りたい、物語を知りたいとゲームをプレイしていくうちに、気づけば全てのキャラクターを重要と思えるようになり、全ての人、町や平原について知りたいと思うようになり、徐々に愛着も湧いてくる。プレイ中は目の前の問題解決に夢中で気づかないが、いつの間にか自分はこの人々が、この世界が好きだったのだと、気づかされるのが7年後に目覚めた瞬間である。7年後、目覚めた瞬間「皆はどうなったのか、早く会いに行かなきゃ」と走り出すリンクの姿はまさしく自分の感情そのままである。