青年のバイブル。尾田栄一郎の鬼才っぷりが味わえる作品。
ONE PIECEは尾田栄一郎先生の作品で、日本だけでなく海外からも人気を集める少年漫画である。
ストーリーの軸は主人公のルフィが海賊王を目指すというシンプルなものだが、その過程で起こる数々のドラマは毎度目頭を熱くするものばかり。
ONE PIECEは発行巻数が多く、話が長いと言われてしまう面もある。しかし読み込んでいる読者からすると、随所に作者の手の込んだ伏線が張られており、それらを漏らさず回収してしまう尾田栄一郎の鬼才っぷりには驚かされる。
例えば、第1巻でルフィが海に出るにあたって「仲間は10人は欲しいな」という場面がある。ストーリーが進むにつれて仲間増えていくが、100巻あたりでようやく9人目の仲間ができる。ルフィを入れて10人だが、「10人目」の仲間ができるかどうかは今後のお楽しみだ。
さらに第1巻で海に落とされたルフィを救うため、シャンクスが自身の左腕を犠牲にし、海王類を睨みつけて「失せろ」と威圧し追い払う有名なシーンがあるが、これが覇気によるものだと後に説明され、その覇気がONE PIECEのストーリーに重要なキーワードとなる。
尾田先生は執筆開始時点でONE PIECEの結末を決めていたというから驚きだ。その決まっている結末まで進めるにあたって、ストーリーが肉付けされている。その中に散りばめられる数々の伏線。ぜひその伏線に注目して読んでいただきたい。