フルメタル・ジャケット

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フルメタル・ジャケット
9

ベトナム戦争の凄惨さを非凡な演出で描き出す、鬼才キューブリックの怪作映画

「フルメタルジャケット」とは軍隊用語で銃弾のうち「完全被甲弾」を意味します。スタンリー・キューブリックが共同脚本、監督、製作にあたった1987年の映画作品の題名でもあります。映画『フルメタルジャケット』にはマシュー・モディン、リー・エルメイ、ヴィンセント・ドノフリオ、アダム・ボウルドウィンらが主演しています。映画の脚本にはキューブリック、マイケル・ハー、グスタフ・ハスフォードが名を連ねており、ハスフォードの1979年の小説『短期除隊兵』を原案としました。作品のストーリーラインは2つの部分に分かれており、前半は海兵隊の小隊が南カリフォルニアの新兵訓練所で教官にシゴキあげられる顛末。新兵ジョーカーとパイルが教官の先任軍曹ハートマンからの陰湿なイジメにあって、遂にハートマンを射殺する。第二部では、テト攻勢下のベトナムで、ベトナムの都市ダナンとフエで北ベトナム正規軍の狙撃兵と対峙する小隊の体験が描写されています。映画のタイトルの「フルメタルジャケット」(完全被甲弾)は米国海兵隊の小隊兵が使用する銃弾の種類のことを言い当てています。
米国での映画の後悔は1987年6月26日。製作費1600万ドルで収益が4640万ドル。キューブリックとハー、ハスフォードがアカデミー脚本賞にノミネートされました。