日本一のマイナーミュージシャン
1970年から音楽活動をはじめ、なぜか時代を経るごとに人気を博してきている奇妙なアーティスト。テクノミュージックをベースとしつつも、アジア音楽、ストリングス等を駆使して、異色かつ異例な音楽を作り続けている。
元はP Modelというバンドを組んで活動していたが、1989年にソロデビューしてからは、基本的にソロ活動がメインとなっている。また、コンピュータ、インターネットという手段を1990年代から駆使し、音源の配信やファンとの交流、プロモーションを行ってきた、時代を先行く数少ないアーティストだ。
その歌詞は難解とされているが、それは簡単に言語化できるようなものを音楽として制作していないヒラサワのポリシーからきている。その難解さが新たなファンを呼び、時代を追うごとにヒラサワのファン、通称馬の骨は増え続けている。
その要因として、ヒラサワが常に『自分は自分であれ』『世界に惑わされるな』と歌ってきたことがある。自分というもの、真実というものがぼやけて見えなくなっている人たちにとって、ヒラサワの音楽は救いであり、曲名を引用するのであれば『回収船』となっているのであろう。そして、回収船に乗った人たちを連れて、ヒラサワは嵐の中へと船を進めていく。嵐を抜ければ、ハードランディングが待っている。