平沢進 / Susumu Hirasawa

平沢進とは、テクノポップを得意とするミュージシャンである。
1979年にP-MODELを結成し、「テクノ御三家」のうちの1つとして当時のテクノポップブームを牽引した。1989年にソロデビューし、その後は個人にて活動。
「レーザーハープ」や「テスラコイル」など、個性的な楽器を用いたライブパフォーマンスや観客の反応や選択により進行が変化していく「インタラクティブ・ライブ」の実施など、常に先進的な試みを行ってきた。
また映画『パプリカ』の主題歌である「白虎野の娘」は第79回アカデミー賞歌曲賞のノミネート候補となるなど、国外からの評価も高い。
電子音が幾重にも重ねられた重厚なサウンドと、抽象的だが示唆に富んだ歌詞が大きな魅力である。またVOCALOIDにいち早く可能性を見いだし、上述の「白虎野の娘」にも利用するなど、楽曲制作を通じて様々な試みを行っている。
米津玄師や今敏など、他のアーティストやクリエーターに大きな影響を与えた人物としても知られている。

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平沢進 / Susumu Hirasawa
10

日本一のマイナーミュージシャン

1970年から音楽活動をはじめ、なぜか時代を経るごとに人気を博してきている奇妙なアーティスト。テクノミュージックをベースとしつつも、アジア音楽、ストリングス等を駆使して、異色かつ異例な音楽を作り続けている。
元はP Modelというバンドを組んで活動していたが、1989年にソロデビューしてからは、基本的にソロ活動がメインとなっている。また、コンピュータ、インターネットという手段を1990年代から駆使し、音源の配信やファンとの交流、プロモーションを行ってきた、時代を先行く数少ないアーティストだ。
その歌詞は難解とされているが、それは簡単に言語化できるようなものを音楽として制作していないヒラサワのポリシーからきている。その難解さが新たなファンを呼び、時代を追うごとにヒラサワのファン、通称馬の骨は増え続けている。
その要因として、ヒラサワが常に『自分は自分であれ』『世界に惑わされるな』と歌ってきたことがある。自分というもの、真実というものがぼやけて見えなくなっている人たちにとって、ヒラサワの音楽は救いであり、曲名を引用するのであれば『回収船』となっているのであろう。そして、回収船に乗った人たちを連れて、ヒラサワは嵐の中へと船を進めていく。嵐を抜ければ、ハードランディングが待っている。