学生時代の甘酸っぱい気持ちになります
この漫画は中学生の大人しい中二病をこじらせた「市川」が同じクラスのモデルをやっている美少女「山田」に恋をしたことを自覚することから始まります。市川は大人しいタイプで黙々と本を読んでいてあまり人と話さず一人で過ごすことが多いのですが、心の中ではとても喜怒哀楽が豊かです。山田が美少女なのに、どこか抜けていて学校にお菓子を持ってきて食べたり、作ったりする姿に冷静なツッコミを入れ、やばいやつだなと思いながらも目で追ってしまう。市川は山田の奇行に子供っぽさを感じていましたが、体育の授業で山田がケガをしてモデルの仕事を休まなくなってしまった時に泣きながら電話で親に謝っている姿を目の当たりにしました。(こっそりベットの下から)その時になぜか市川も一緒に泣いてしまい、市川自身もなんで僕まで泣いているんだと不思議に思います。山田がクラスの友達に泣きながら仕事に穴を空けたことをママとマネージャーから子供だから仕方がないと言われ「そう言われるのが一番くやしい」と話しているところを聞いて、市川は山田がクラスの誰よりも大人であることに気づきます。そんな山田の子供っぽさもありながら、大人っぽさにもひかれ市川は山田が好きであることを自覚します。市川は山田がまだ泣いているところを見て、いつも来る図書室に先回りをして涙を拭く用のティッシュを置いておきます。山田はそのティッシュを涙ではなく、お菓子で汚れた手を拭くのに使い市川に「ちーがーうーだろ~ちがうだろッッ」と陰から市川にツッコミを入れられます。山田はティッシュの裏に「ご自由にお使いください」というメッセージを見てにんまりとして、市川の優しい気遣いに嬉しく思い、市川により惹かれ始めます。
ザッとここまでが一巻の大まかな流れです。一巻では市川と山田がお互いに相手を意識し始め、好意を感じ始める過程が丁寧に描かれています。作者は一巻はエピローグだと話しており、2巻から相手を意識しながらほっこりニヤニヤするようなラブコメが始まります。
少しでも気になった方は「僕の心のヤバイやつ」を読んでみてはいかがでしょうか。優しい気持ちになりながらも、笑えるいいラブコメ作品です。