猿の惑星:聖戦記 / War for the Planet of the Apes

猿の惑星:聖戦記 / War for the Planet of the Apes

『猿の惑星:聖戦記』(原題:War for the Planet of the Apes)とは、2017年のアメリカのSF映画。ピエール・ブール原作のSF小説『猿の惑星』シリーズで、名作SF映画『猿の惑星』をリブートした 『猿の惑星:創世記』 『猿の惑星:新世紀』に続くシリーズ第3弾。高度な知能を得た猿と人類が全面戦争に突入してから2年。シーザーは猿たちを引き連れて森の奥深くの砦に身を潜めていたが、ある晩、人間たちの奇襲を受けて家族の命を奪われてしまう。敵の冷酷非道なリーダー・大佐への復讐を誓ったシーザーは、3匹の仲間を連れて大佐を倒す旅に出る。監督はマット・リーブス。出演はアンディー・サーキス、ウッディ・ハレルソンなど。

nakyのレビュー・評価・感想

猿の惑星:聖戦記 / War for the Planet of the Apes
6

タイトルなし

2011年公開の「猿の惑星ジェネシス」より始まった3部作の最終作にあたる2017年公開の作品です。
本作では知能を得た猿ことエイプの長であるシーザーが今や大半が敵対関係となっている人間側の「大佐」によって妻子を殺され、初めて仲間のためではなく己の復讐のために行動を起こすことから始まります。
2010年代の猿の惑星3部作は主にシーザーの壮絶な生き様を追った物語となっていて、本作においても群れを重んじながらも妻子の復讐に駆られてしまうシーザーの苦悩を中心に描かれています。
このシリーズでは人間側でも大半が支配権を奪わんとする猿達の抹殺を考えるものがいる一方、猿インフルエンザにかかって言葉が喋れなくなってしまった少女ノバァがシーザーの仲間のモーリス達に保護され、猿達から仲間として受け入れられ、交流を深めていく姿が観客の心を温める一方、前作ライジングで人間への恨みから戦争を勃発させたコバに賛同する一部の猿達が、本来敵だった人間側についたりと、ここでも猿と人間、2つの種族が相いれない立場なのを物語っています。
終盤シーザーの復讐は思わぬ形で幕を閉じ、どうにか群れの仲間を守り抜いて新しい「家」新天地まで辿り着けた者の見届けるようにシーザーは息を引き取り、彼の波乱の一生を描いた3部作がその役割を全うしたのだと感じさせられました。