生き残るのは誰か。怪しくも美しい極楽浄土での壮絶なサバイバル。
どんな過酷な刑を受けても、決して死ぬことがない元岩隠れ最強の忍者、画眉丸。死を待つ身である彼は、処刑人山田浅エ門佐切から、無罪放免となって愛する妻に生きて再会できる可能性がある、と告げられます。
その条件は、極楽浄土のような島にある不老不死の仙薬を手に入れること。自由を勝ち取るため、画眉丸は美しくも不気味な島で、壮絶なサバイバルに挑みます。仙薬を狙うのは画眉丸だけでなく、狂気じみた強さを持つ死罪人ばかり。たった一枚の切符を巡り、血みどろの争いが巻き起こる中、奇怪な生物、さらには得体の知れない力を持った""てんせん様""が現れ、サバイバルは過酷さを増していきます。
脱出不可能の化け物がうごめく謎の島、というシチュエーションだけでも興味を惹かれますが、それに加えて絵柄がとても美麗。キャラクターの持つ魅力が引き出さられ、作品もよりエモーショナルに仕上がっています。巻数も全13巻と丁度良い長さで、ストーリーが間伸びすることなく進むので、集中してサクッと読むことができます。
画眉丸と佐切、死罪人と処刑人という関係だった二人に、強い絆が芽生えていく様子が丁寧に描かれている点、迷い苦しみながら戦い続ける二人の姿が印象的。
絵柄が綺麗で読みやすいので、怪奇もの、サバイバルものに興味があるけど今まで避けてきた、という人にも是非読んで欲しい作品です。