ファッション業界を舞台にした、熱血バトル漫画
デザイナーを目指す育人とパリコレモデルを目指す千雪。この二人の共通点は、夢を絶対かなえるという強い意志と、夢をかなえるために圧倒的に足りない「スペック」だった。育人は貧乏な家に生まれ、服を作る生地さえも十分なものを買うことができない。千雪はパリコレに出るには背が低かった。そんな二人が出会い、夢をかなえるために互いに奔走する。昔夢に向かって努力していた人、そして今がむしゃらに努力している人に是非読んでほしい作品だ。
この作品の素晴らしいところは、夢に向かって努力し続ける難しさがリアルに描かれているところだ。作品の中には千雪よりも背が高く、オーラもあり、モデルとして「逸材」であるのにも関わらずデザイナーを目指して奮闘する少女も出てくる。自分に「適している場所」と「目指したい場所」が違い、その少女はひどく悩む。しかし彼女は最終的に「適している場所」を蹴り、綺麗な指を絆創膏だらけにするまで努力し、夢を追いかけるのだ。決して叶うかどうかわからない夢を。その姿は夢を目指して努力している読者に夢を与えるし、実際私も読了後涙を流した。そして「これから頑張ろう」と勇気づけられた。綺麗な少女漫画のような絵とは裏腹に、中身は熱血な少年漫画の様な作品。熱くなれる、良作だ。