ただのゆるふわ日常アニメとは思えぬ熱さ
廃部寸前の軽音楽部を再興し、いつしか武道館ライブ!
を目標にしていながらも、その実はどこにでもいる普通の女子高生がゆるくふわっと放課後に軽音楽部の部室でお茶をしながらガールズトーク……。
練習や演奏をしている描写は少なく、この物語はどう進んでいくのだろうかと思うも、ちゃんと学園祭に向けてバンドの練習をしたり、たまにはキャラクター達の想いがぶつかり合ってどこかすれ違ってしまったり、だけども最後にはいつもの場所でみんなお茶しながら仲直り。
この日本のどこかで繰り広げられていたらいいな、と思う日本高校生活の緩くも熱い青春が詰まっている作品だ。
登場人物は4人だが、途中で1年生の女の子が加入して5人になる。
その5人目のメンバーである中野梓はいわゆるツンデレキャラで中々素直になれずちょっと生意気な後輩。
しかし、部活や音楽、そして先輩達への想いは一際強く素直になれない中野梓のことをそれぞれのキャラクター達がそれぞれなりに素直に愛情をぶつけ、時にその素直すぎる愛情に戸惑う姿との対比が、軽音楽部の主要メンバーである平沢唯、秋山澪、田井中律、琴吹紬達が卒業するそのシーンで、大爆発しエモーショナルな物語ができあがる。
ただのゆるふわ日常系作品ではなく、一つの軽音楽部の中にある日常の物語にひたむきさと愛情と熱さが詰まった、そんな作品である。