死神坊ちゃんと黒メイド

死神坊ちゃんと黒メイド

『死神坊っちゃんと黒メイド』とは、2017年から2022年にかけて『サンデーうぇぶり』にて連載されていた漫画作品。作者はイノウエ。魔女によって「触れた生き物の命を奪う」呪いをかけられた貴族の坊っちゃんと、そんな坊っちゃんに仕えるメイドのアリスの純愛を描く、ファンタジー・ラブコメだ。両想いなのに触れられない坊っちゃんとアリスの切ない恋模様、2人を取り巻く個性豊かなキャラクターたちが、ファンから高く評価された。

hilamnのレビュー・評価・感想

死神坊ちゃんと黒メイド
9

あなたと生きていく

触れた生物の命を奪ってしまう呪いをかけられてしまった主人公の坊ちゃんは、毎日セクハラをしてくるメイドのアリスと少しぼけている執事のロブとともに屋敷で暮らしています。
金髪美女のアリスは呪いを持つ坊ちゃんに平気で近づいたり、直接好意を伝えています。
序盤からのラブラブ具合についていけない人もいるかもしれませんが、坊ちゃんとアリスの出会いを見れば二人のやり取りも違って見えてくるはずです。
出会いはアリスが初めて館に来るシーンから始まります。
実は昔に面識のあるアリスと坊ちゃんですが、坊ちゃんは覚えていないようです。
呪いのせいで周りとの交流を遮断している坊ちゃんに対し、アリスは積極的に関わろうとします。
拒絶する坊ちゃんに対し引き下がらないアリスからは、どこか曲げられない信念のようなものが伝わってきます。
そんなある日、大雪の中失踪した坊ちゃんを追いかけ、昔出会ったときに坊ちゃんのやさしい態度に救われたことを話します。
「生きましょう。一緒に。」そう言ったアリスが伸ばす傘を握りしめた坊ちゃんはもう一度生きようと決心すると同時に、アリスという存在に惚れていきます。
アリスの一途な愛が詰まっている坊ちゃんとの出会いのシーンは見どころです。
本作品は二人が愛し合っているのに呪いのせいで触れることができないもどかしさがあります。
しかし、そんな二人は誰よりも心が近い存在になっているのかもしれません。
この純愛物語は呪いが解けた時果たしてどうなるのか、ぜひ一度ご覧になってみてはいかかでしょうか。