仮面ライダーのすばらしさ
今回紹介するのは、仮面ライダー1号の漫画版です。タイトルは、ずばり「仮面ライダー」!
1971年に「ぼくらマガジン」という少年マガジンの兄弟誌で連載が始まりました。作者は、言うまでもないことですが、サイボーグ009などでおなじみの石ノ森章太郎先生です。その話が原作との印象が持たれがちですけれど、この漫画版、実はテレビの放送に合わせて作られた、いわばノベライズ作品とのことです。
だからなのか、第一話と第二話は、テレビ版の第一話とほとんど同じストーリーでした。とはいえ当然違いもありまして、変身の見せ方などは大きく違います。テレビ版ではバイク運転中に変身が完了するけど、漫画版では、仮面をかぶってからバイクの運転を始めています。
その他、細かい違いがあるけれど、特徴的なのは、漫画版ではショッカーの面々にたいして「仮面ライダー」と名乗りをあげていることですね。テレビ版をご覧になればわかることですが、実は誰も仮面ライダーと呼んでいません。本人の名乗りもないし、ショッカーの誰も仮面ライダーなどとは呼んでいないのです。正義のヒーローが、巨大な悪に対して、堂々と名乗りを上げているシーン、昭和の時代ならよくお目にかかれるシーンでした。そんなシーンを垣間見ることのできる仮面ライダー、単なるノベライズにとどまらない石ノ森テイスト満載の作品です。ぜひ手に取って読んでみることをお勧めいたします。