ヨルシカ / Yorushika

ヨルシカ / Yorushika

ヨルシカとは、日本の2人組ロックバンド。メンバーは、ギタリスト兼コンポーザーのn-buna(ナブナ)と、ボーカルのsuis(スイ)との男女2人。結成は2017年。2012年からボカロPとして活動していたn-bunaが、ワンマンライブにゲストボーカルとして参加したsuisと共に結成した。
2019年、セカンドフルアルバム[『エルマ』で、ユニバーサルJよりメジャーデビュー。ヨルシカという名前は、1stミニアルバム『夏草が邪魔をする』の収録曲である「雲と幽霊」という楽曲の歌詞“夜しかもう眠れずに”という一節に由来している。
また、鹿の目のようなデザインのロゴマークは、月と月が向かい合った形がモチーフになっている。中央のラインは時計の針も表しており、“6時から夜”という意味が込められている。
n-bunaには「ヨルシカ自体も1つの作品である」という想いがあり、作者が作品より前に出ないよう、顔や詳細な情報は非公開である。

4lqv11691のレビュー・評価・感想

レビューを書く
ヨルシカ / Yorushika
10

物語調の音楽のすばらしさ

Z世代と言われる人々は音楽配信のサブスクリプションサービスを使い、曲の聴き方は1曲ずつを別に評価する風潮があるが、そんな世の中に風穴を開けるがごとく現れたヨルシカは、物語調で1曲ずつはもちろん、すべての曲を通して聴くことで味わえる、小説を一本見た後のような充実感と終わってしまったという喪失感を楽しめる作品を作り出している音楽ユニットである。
エルマとエイミーの二人を中心とした『だから僕は音楽を辞めた』と『エルマ』は二作品で一つの完成形となるとても珍しい形のアルバム作品となっている。
さらにその次の作品となっている『盗作』では音楽を盗作する男の話になっているのだが、これは現代の商業音楽に対する疑問とメタファーとして挑戦的な課題に挑戦している。
作編曲とギターを担当しているn-bunaはボカロPとしてもボカロ界を代表する中の一人であり、爽やかなサウンドと自身も得意としている俳句などの日本的な文化も取り入れた唯一無二の形を誇っている。
ヴォーカリストのsuisはとても透明感のある歌声ももちろんのこと、曲ごとに歌い方が変わる憑依のような歌いまわしも特徴的な素晴らしいヴォーカリストである。
このような革新的な音楽ユニットに期待が募るばかりである。