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夢に向かって真摯に取り組むこと、恩師や仲間へ感謝の気持ちを忘れないこと、損得や利害ではなく自分の心に素直に生きること。主人公が奏でるピアノの音色に涙が止まらない。音楽物語ではない、主人公カイの生き様を表した物語。
"主人公カイは森の中で母と共に暮らしていた。森に捨てられたピアノをおもちゃにして遊んできた。ある日、カイが通う小学校に雨宮という転校生が来る。雨宮は世界的な天才ピアニストの子ども、ある時雨宮は、カイが森の中でピアノを弾いているのを見て衝撃を受ける。そのことを音楽教師の阿字野に伝え、阿字野とともにショパンコンクールを目指す物語である。
天才的なカイの音楽の才能。努力を努力と思わず、夢中になりただ楽しむ、遊ぶ。それがカイの強さであり、夢に向かって何かを取り組む人全員に刺さる姿だろう。
ショパンコンクールまでの道のりは長い。小学生から描かれているのでその間苦しいことや厳しい壁に何度もぶち当たる。しかしカイは諦めずに向き合い続けた。
「ピアノ」という1つのコンテンツだけでなく、恩師、母の姿、仲間やライバル、カイの周りを取り囲む人々との関わり方は人として大切なものを教えてくれる。
そしてなんといっても、作品の中で度々出てくる演奏シーン。モーションキャプチャーを駆使してリアルな指の動きと美しい音色が相まって感動が高まる。カイの演奏を担当したピアニストだけが明かされていないのも、これまた物語に入り込めるひとつの要素となっている。"