プリテンダーズのクリッシー・ハインド、その世界。
プリテンダーズはイギリスから1980年にデビューしたロックバンドである。ボーカル兼ギターのクリッシー・ハインドが紅一点であることが特徴だ。他の三人のメンバーはめまぐるしくメンバーチェンジをくりかえし、中には麻薬の過剰摂取で死に旅立ったものもいた。
プリテンダーズの特徴はなんといってもクリッシー・ハインドのメロディーメーカーとしてのたたずまい、また姉御ロックンローラーとしてのたたずまいである。姉御ロックンローラーといえば元ランナウェイズのジョーン・ジェットの方か音楽歴が長いがその音楽性と創作される旋律の素晴らしさからクリッシーの方が人気も評価も高いのは事実である。低音で投げやりなボーカルスタイルだが、時に都会のセンチメンタリズムを感じさせる節回しがなんとも魅力的で素晴らしい。常に、また主にテレキャスターというドライな音を奏でるギターを弾きながら歌うがギターのリズムは一定して四分のリズムである。ブラックレザーとショートカットが似合う、どこかニヒルで、こわもてだが、限りなく同性の女性から見てたまらなくカッコイイクリッシー。しかし意外にも故郷のアメリカのオハイオのハイスクール時代はパーティーにも参加しない暗い少女だったという。その彼女が今のたたずまいでプリテンダーズを続けているのが興味深い。