ネオソウルの帝王、ディアンジェロ
ネオソウルというジャンルを語るうえで彼の存在を無視することはできない程、ディアンジェロという存在は偉大なものである。
彼の存在を一躍有名にした作品が『ブラウン・シュガー』である。『ブラウン・シュガー』は1995年に発売した彼のファーストアルバムである。
このアルバムはタイトル曲である、「Brown Suger」や「Me and Those Dreamin' Eyes of Mine」といったヒット曲で知られ、当時流行していたR&Bやヒップホップといったジャンルに、マーヴィン・ゲイ、スティービーワンダーといった往年のソウルを彷彿とさせる歌唱スタイルを取り入れた。この作品によってディアンジェロはネオソウルというジャンルを確立させた。
こうして一躍スターとなったディアンジェロだが、5年後に発表された次作『ヴードゥー』では、前作ので得た名声をまったく気にしていない様な挑戦的なサウンドを奏でた。『ヴードゥー』はヒップホップバンドThe Rootsのドラマー、クエストラヴや、イギリスの売れっ子セッションミュージシャンのピノ・パラディーノをメンバーに迎え製作された。
このアルバムはクオンタイズを無視した様なヨレたグルーヴや、ポピュラーミュージックとして成立しない程不気味なスケール感を使ったベースフレーズなどが特徴となった。結果このアルバムはネオソウルというジャンルの価値をさらに押し上げ、ビルボード全米チャートで1位を獲得するほどの評価を得た。こうしてディアンジェロはネオソウルというジャンルの中で不動の位置を確立したのである。