怪獣8号

怪獣8号

『怪獣8号』とは、『少年ジャンプ+』で2020年より連載している松本直也による漫画作品。シン・ゴジラやパシフィック・リム等の怪獣を自然災害に暗喩した作品の系譜にある。怪獣の発生する世界で、怪獣から国を守る防衛隊に入る事が叶わずに怪獣の死体清掃の仕事を続ける主人公・カフカが、もう一度防衛隊を目指そうと決意するも、謎の小型怪獣に体内へ侵入され、人知を超えた怪獣の力を手にする。「怪獣8号」と呼ばれるようになってしまったカフカがその力と怪獣の知識を駆使して、怪獣に立ち向かっていくバトル漫画である。

kei_umeyat9のレビュー・評価・感想

怪獣8号
10

主人公の設定が面白い

怪獣8号は怪獣が発生する日本で、怪獣の死体専門の清掃業で働く日比野カフカが防衛隊員を目指す物語である。しかし、自身が怪獣化してしまい、怪獣8号と呼ばれるようになる。この漫画の注目すべき点としてカフカのキャラ設定を挙げる。カフカは32歳の男性というジャンプ系の漫画にしては珍しい主人公キャラである。さらに、元々は防衛隊を目指していたが、諦めて清掃業に就いており、体力も若者より衰えている。しかし、長年の清掃業のおかげで怪獣に対する知識は大量にある。この知識によって若い防衛隊員志望者達と張り合う姿は他の漫画にはない面白さがある。特に清掃業のバイトとして出会い、カフカと共に防衛隊を目指す18歳の市川レノは高い戦闘力を持ちながらも、カフカのことを尊敬しており、二人の絡みも必見である。また、防衛隊第3部隊の隊長も務め、全隊長の中でもトップクラスの戦闘力を持つ亜白ミナは幼い頃にカフカと防衛隊員になると約束した仲であり、カフカとの再会も期待される。そして、基本知性の無い怪獣達の中で知性を持ち、人の言葉を使う怪獣が現れるなど謎を含む部分も多く、カフカの怪獣化との関連性など考察を深める点が多いこともこの漫画の魅力に繋がっている。