圧倒的なキャラの強さが強烈に彩る日常劇
斉木楠雄のΨ難は、万能の超能力者である主人公・斉木楠雄が通うPK学園を舞台に描かれる日常劇です。主人公・斉木楠雄は一瞬で地球くらいなら破壊できるほどの力を持ち、あらゆる超能力を使うことができますが、本人は静かに普通に日常を送りたいと思っています。
この作品の魅力は、普通の高校生活を描いたものに超能力とキャラの強さを足しただけでギャグ漫画として成立させているところにあります。斉木楠雄本人は至って目立たないように普通に行動しているため、描かれるのは基本的に普通に高校生活です。しかしそこに超能力が加わったことで日常の些細なことでも超能力で解決してしまうバカバカしさが生まれます。「え?そんなことのためにそこまでする?」と思ってしまうくらいやり過ぎな描写が際立ちます。
また登場するキャラクターも強烈な個性を持っています。基本的に全てのキャラクターが超能力にちなんだ名前になっており、時折本当にその能力を持っているかのように描かれます。とんでもない馬鹿、重度の厨二病、完璧美少女を演じる腹黒少女、元ヤン丸出しなのに自分では隠せていると思っている元暴走族総長などかなり濃いメンツがメインとなって日常を繰り広げるため、なんてことのない日常風景もやかましくなります。
またそんなキャラクターたちと接する中で斉木楠雄の人間らしい部分が垣間見え、少し心温まるのもおすすめポイントです。日常系ギャグ漫画としては最高傑作と言っても過言ではないでしょう。