斉木楠雄のΨ難 / 斉Ψ / The Disastrous Life of Saiki K.

『斉木楠雄のΨ難』とは、麻生周一による少年漫画。『週刊少年ジャンプ』(集英社)で2011年22号から50号までタイトルが『超能力者 斉木楠雄のΨ難』で7回の不定期掲載だった。2012年24号から2018年13号まで連載された。単行本は全26巻。累計発行部数は600万部を突破。略称は「斉Ψ(さいさい)」で、話数はχ(カイ)でカウントされている。
内容は、超能力を持つ高校生の斉木楠雄(さいきくすお)を主人公としたギャグ漫画。斉木楠雄は、ピンク色の髪で頭にアンテナのような二本の超能力制御装置が刺さっており、緑色の眼鏡をかけている。本人は目立たずに高校生活を送りたいと思っているが、学園に通う強烈な個性を持つキャラクター達に気に入られ、周囲で起きた数々の災難を超能力で解決していく。
テレビアニメはテレビ東京系列で放送。第1期は2016年7月~12月、第2期は2018年1月~6月に放送。完結編は2018年12月28日に年末特番として放送された。2019年12月30日はNetflixにてΨ始動編が配信された。2017年に福田雄一監督により実写映画として公開された。主演は山崎賢人。小説『斉木楠雄のΨ難 EXTRA STORY OF PSYCHICS』(ジャンプ ジェイ ブックス)が2013年と2014年に発売された。2018年にはスマホゲームが配信されたが、2019年にサービスは終了した。

yu-taro-8のレビュー・評価・感想

斉木楠雄のΨ難 / 斉Ψ / The Disastrous Life of Saiki K.
10

圧倒的なキャラの強さが強烈に彩る日常劇

斉木楠雄のΨ難は、万能の超能力者である主人公・斉木楠雄が通うPK学園を舞台に描かれる日常劇です。主人公・斉木楠雄は一瞬で地球くらいなら破壊できるほどの力を持ち、あらゆる超能力を使うことができますが、本人は静かに普通に日常を送りたいと思っています。
この作品の魅力は、普通の高校生活を描いたものに超能力とキャラの強さを足しただけでギャグ漫画として成立させているところにあります。斉木楠雄本人は至って目立たないように普通に行動しているため、描かれるのは基本的に普通に高校生活です。しかしそこに超能力が加わったことで日常の些細なことでも超能力で解決してしまうバカバカしさが生まれます。「え?そんなことのためにそこまでする?」と思ってしまうくらいやり過ぎな描写が際立ちます。
また登場するキャラクターも強烈な個性を持っています。基本的に全てのキャラクターが超能力にちなんだ名前になっており、時折本当にその能力を持っているかのように描かれます。とんでもない馬鹿、重度の厨二病、完璧美少女を演じる腹黒少女、元ヤン丸出しなのに自分では隠せていると思っている元暴走族総長などかなり濃いメンツがメインとなって日常を繰り広げるため、なんてことのない日常風景もやかましくなります。
またそんなキャラクターたちと接する中で斉木楠雄の人間らしい部分が垣間見え、少し心温まるのもおすすめポイントです。日常系ギャグ漫画としては最高傑作と言っても過言ではないでしょう。