会話中心のギャグ回と細やかな心理描写が織りなす絶妙な日常感
SKET DANCEでは開盟学園に通う3人の高校生が主人公となり日常を送る物語です。3人は人助けの部活、スケット団のメンバーであり、同じ学園の生徒や先生、果ては取材に来た漫画家と多岐にわたる依頼人から依頼を受け、数多くのトラブルを起こしながらも解決していきます。
彼らが受ける依頼は学園生活の困ったことやちょっとした悩みも多いので、スケット団の部室内で1話が終わることもあります。基本的には会話が多く、ギャグ漫画のような作風です。男リーダー、女戦闘員、眼鏡の男という構成も相俟って「学園版銀魂」と揶揄されることもあるSKET DANCEですが、その魅力はギャグのみにあるわけではありません。
スケット団の3人はそれぞれにかなり暗い過去を持っています。事故で両親を亡くしており高校生になって初めて自分の家族が本当の家族でないと気づいたり、助けようとした友達に裏切られてグレてしまい、人を信じられなくなったり、弟の才能に嫉妬してくだらないことを言ってしまったために弟が殺されていたりとその過去は壮絶です。少しずつ解明されていく彼らの過去ですが、それらを全て知った上でもう一度読み返してみると「スケット団」として活動する彼らにより深みが出てきます。
またこのような回では敢えて普段の会話量を封印し、僅かな表情の変化で感情を表現しているのも魅力です。ただのギャグ漫画でなく少しハートフルなものを読みたい方にとてもおすすめです。