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息の長い英国バンド
日本ではあまり人気のないバンド「Paradise lost」。テクニカルな要素が全くないことや、何が楽しくて生きてるのかと問いただしたくなるのくらいの暗さがその理由だろう。しかし欧州では大人気だ。安定したセールスもあるのだろう。気づけば16枚ものアルバムをリリースしている。過去の作品のリメイクやLPのカップリングなど、マニアがよだれをたらす商品もこきざみに発売するあたり、かなりの商売上手でもある。このような戦略も活動を長く続ける要素になっているのだろう。
このバンドはある時期を境に他の似たようなバンドに対し大きく水をあけることに成功する。そのきっかけはアルバム「one second」のリリースだ。ブラックアルバムに阿鼻叫喚していた90年代以降、あえて彼らはその流れに身を任せた。その決断が彼らの立ち位置をゆるぎないものにし、息が長いバンドとして活躍し続ける要因となったのに違いない。しかしその結果、従来のファンは困惑し離れていった人も多数いたと思う。恥ずかしながら私もその一人なのである。レビューし宣伝することは、そんな私の過ちの許しを請うわけでは決してない。さて「Paradise lost」。このバンドに少しでも興味がある方は6枚目のアルバム「one second」から始めるとよい。そこから遡ってもよし、後ろに下ってもよし。きっとあなたをニヤリとさせるはずだ。