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19世紀ロンドンを舞台とした、「ノケモノ」たちの逃避行の物語です。
19世紀ロンドンを舞台に、不老不死の大悪魔マルバスと身寄りのない少女ウィステリアが出会い、逃避行をする物語です。
日々物乞いをしては飼い主に虐げられていたウィステリア。伯爵家として英国王室に仕えていたものの、家ごと粛清され家族全員を失ったダイアナ。負傷兵として居場所を失い、周りから腫れ物扱いされていたルーサー。いろいろな事情で社会の「ノケモノ」となった彼らが織り成す群像劇です。
悪魔狩りを生業とする退魔組織「剣十字騎士団」にはウィステリアの兄スノウが所属しており、その上司はなんと幕末の日本人。いつも鎧と謎をまとった騎士団の団長はとんでもなく有能で、終盤ではウィステリアやマルバス達とも共闘する柔軟さは「理想の上司」かもしれません。そして、物語のあちこちに見え隠れする「三ツ目の悪魔」の謎。
また、注目すべきはかの有名なシャーロック・ホームズ。スノウの戦友として登場するワトソンと共に、物語にさりげなく関わってきます。偏屈っぷりもしっかり描写されつつ人間味も見せる作者の手腕はなかなかのものだと思います。
残念ながら8巻で完結してしまいましたが、最後にちりばめられた伏線を少ない話数で見事回収しているところも必見です。