ただの不倫マンガじゃない!切ない心理描写が共感の嵐を呼ぶ
主人公のみちはどこにでもいる兼業主婦。夫である陽介との仲は悪くないが、ただひとつ「セックスレス」という問題を抱えている。
自分から誘ってみたり、陽介の好きな料理を作ってみても陽介は「疲れているから」とみちの思いを無視し続ける。
セックスレスで悩んでいる夫婦は増えてきており、その末に不倫にどっぷりハマる主婦もいるとか。
ましてやセックスレスなんてセンシティブな問題は、仲のいい友達にもなかなか相談できないもの。主人公のみちも、誰にも相談できずに悶々と日々を過ごしている。
そんなとき、職場の後輩の華が夢中になっている既婚者の同僚、新名と打ち解ける。お酒の勢いで自分が2年もセックスレスだとしゃべってしまうが、実は新名も妻とはセックスレスだという。お互い同じ悩みを抱えた男女が向かう先はひとつ!とわくわくする展開になりそうだが、みちの純粋な性格が一歩踏みとどまらせる。
セックスがしたくて夫婦になったのではなく、愛されているという実感や心の充実感がほしいと言ったセリフに世の主婦たちは共感の嵐だ。
私自身、夫とは半年以上セックスレス…。単純な性欲処理などではなく「好きな人と触れ合いたい」「愛されている実感がほしい」という気持ちが痛いほどわかり、何度か泣いてしまった場面も笑
この作品の魅力は、単純な不倫マンガなどではなく主人公の周りの人間の描写もはっきり描かれているところだ。
みちだけでなく、夫の陽介、新名の妻など、それぞれが抱いている思いがリアルで男性のセックスしたくない、女性のセックスしたくない気持ちも理解できるようになっている。
既婚女性だけでなく、これから結婚を考えいてるカップルや男性にも読んでもらいたい作品だ。