ハクソー・リッジ

6nyuri_rryのレビュー・評価・感想

レビューを書く
ハクソー・リッジ
7

銃を持たずして戦場に赴いた一人の衛生兵の話

「ハクソーリッジ」は2016年に公開されたアメリカの戦争映画です。
宗教上の理由や自身の倫理から、戦争に参加することや義務の兵役を拒否する「良心的兵役拒否者」であった主人公デズモンドは、なんと自ら軍のキャンプに参加します。
体力や身体能力はずば抜けているのに、銃の訓練となると一切銃に触れようとしないデズモンド。
文面で起こしてみると、なんだか傲慢で矛盾しているようにも見えてしまうかもしれません。
しかし、デズモンドは「人を殺したくない」「人を救うための戦争」をするという信念を抱いていました。

そうして、軍隊内で巻き起こる様々な試練を乗り越えて、デズモンドは一切の銃器を持たずして、「ハクソーリッジ」へと足を踏み入れるのです。
映画「ハクソーリッジ」はノンフィクションです。「ハクソーリッジ」は日本名に直すと「前田高地」。
つまりこの舞台は日本で唯一の陸上戦となった沖縄戦での話です。
その地でデズモンドは銃を持たずに鉛玉の飛び交う地獄を潜り抜け、多くの人を救います。
そしてその後、デズモンドには良心的兵役拒否者として初めて名誉勲章を与えられることになるのです。

太平洋戦争をアメリカの視点で見るというのは複雑な心境でしょう。
しかし、この作品は「信念をもって生きること」を教えてくれます。
歴史に罪はあろうとも、それを描いた作品には罪はないのです。

最後にはなりますが、この作品にはショッキングな描写が多く含まれています。
もし、苦手であればご視聴をお控えすることをお勧めします。