AC/DCの凄さ
AC/DCはオーストラリアから1973年にデビューし1976年、アトランティック・レコードと世界規模のレコード契約を結ぶ。これによりバンドはレインボー、キッス、エアロスミス、スティクス、ブルー・オイスター・カルトらの前座として活躍し始めた。私個人としては初めてAC/DCを耳にしたのがマイケル・シェンカーなどのヘビーメタル人気絶世のころで「バックインブラック」というアルバムで同じヘビメタが好きな友人からおしえてもらった。非常に興奮したのを覚えている。と同時に他のヘビメタバンドとは一線を画した音の構成だった。いたってシンプルで言いかたを変えればギターもドラムもコピーするには至極簡単だった。なのに独特の重みとロックンロールの軽快さを両方持ち合わせていた。AC/DCといえばギターリフを徹底したワンパターンバンドという評価が音楽ファンの間で多かったのは事実である。それでもアルバム「バックインブラック」はCDが世に出回る前にレコードで800万枚をセールスして音楽産業界ではマイケル・ジャクソンに次ぐ売り上げをあげていたのも事実である。サウンドにのせる歌詞の内容も酒と女との快楽という、そういった一見うすっぺらなバンドにみえる。しかし彼らのバンドを続けていた姿勢にはブルースの精神を受け継いだ徹底したロックンロールを愛するものがはっきりと感じとられるのである。もしかすると多くの人が一聴をすすめてもそれはわからないのかもしれない。残念ながらやはりハードなロックをいくつか聴いてきた人にしかわからないのかもしれない。