9
トム・クルーズ下半身麻痺のベトナム復員兵を演じた社会派映画『7月4日に生まれて』
『7月4日に生まれて』は1989年に公開された伝記的な戦争劇映画で、原作は1976年に発表されたロン・コーヴィックの自伝小説。
監督はオリヴァー・ストーン、脚本の執筆はストーンとコーヴィックです。
出演はトム・クルーズ、キーラ・セドヴィック、レイモンド・J・バリー、ジェリー・レヴィン、フランク・ホエイリー、ウィリアム・デフォー。
映画ではコヴィック(クルーズ)の20年に及ぶ生涯が描かれています。
その幼少期から軍務、ベトナム戦争従軍中に患った麻痺、そして反戦運動活動家としての再起までが描かれているのです。
本作はストーン監督のベトナム戦争3部作のうちの第2作めにあたります。
(第1作は『プラトゥーン』(1986)、第3作は『天と地』(1993))
製作者のマーティン・ブレグマンは1976年に著作の映画化権を取得して、ベトナム戦争復員兵のストーンを雇って、コヴィックと共に脚本を執筆させました。
当初はコヴィック役はアル・パチーノが演じる予定でした。1978年に脚本執筆が一段落すると、パチーノとブレグマンが映画から離れたので、製作は一時的に中断します。
『プラトゥーン』が公開されると、製作プロジェクトはユニヴァーサル映画社で蘇りました。
ストーンが監督することになります。撮影はフィリピン、テキサス、カリフォルニアのアングルウッドで、1988年の10月から12月まで65日間の短期で行われました。
映画製作の初期コストが1400万ドルであったのに対して、再撮影後は1780万ドルのコストが費やされました。