彼に依頼してはいけません

emomi130のレビュー・評価・感想

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彼に依頼してはいけません
7

鮮やかに描かれる、新感覚ミステリー!!

『エンパス』の能力を駆使するモグリの探偵・鏡キズナが、相棒・御堂眞矢と事件を解決させていく!
『エンパス』とは人より感受性に富んだ人のことを指し、キズナは人を観察することや思い入れのある物に触れることで、その人物の感情や思考を理解したり、能力を手に入れたりすることができるとされています。
本作は、関係者の心情から事件を読み解いていく、新感覚のミステリーです。
また、漫画・アニメ・ゲームなど様々なメディアで人気のイラストレーター・雪広うたこが、ストーリーも含め全て一人で構成した初の創作作品としても注目されています。
「宝石商リチャード氏の謎鑑定」の作画でミステリー作品に携わっていただけあり、難解なトリックが次々と出てくる点は、初のミステリー作としては高評価だと思います。
心情描写に重きを置いていますが、思考するだけの推理モノではなく、街を奔走したり、対立するものを倒したりといった、アクションさながらのアクティブなシーンが満載なのも見所の一つです。
なんと言っても『描写が美しい』!!その一言に尽きます…!!
数々の書籍やCDジャケットを担当してきただけあって、登場人物のファッションクオリティはとても高いです!
現代の流行ファッションだけでなく、イベントコスチュームやアンティークまでさまざまなジャンルに冴えわたるハイスペックさは、一コマ一コマを切り取っても美しいイラストレーションとして楽しめます。
素性に謎が多いメインキャラ・キズナと眞矢ですが、寝食を共にしたり、濃密なスキンシップが多かったり、真意の掴めない発言が度々見られたりで、一部から「BL作品…?」との疑惑も多い本作。
客観的に見ても「いやいや…同性の友情間ではそれはないんじゃないか??」と見ているこっちが恥ずかしくなるようなシーンが多々あります。
が、前述の通り容姿の美しさにカバーされてしまい、見ていて嫌な気分になることはありません。
眞矢の家族背景が徐々に明らかになるにつれて、二人の関係性も少しずつ窺えるようになってきますが、お互いをどう思っているかは謎に包まれたまま…。
「匂わせでもBLはムリ!!」って人にはおすすめできないかな…?
今後の展開にも注目していきたいと思います!!