ただのゾンビゲームでは終わらない
2019年に発売された、オープンワールド式のサバイバルゲーム。プレイヤーは荒廃した世界で妻を失った男ディーコンとなり、賞金稼ぎとして生活している。
ゾンビだらけの世界で、物資を集めてアイテムや武器をクラフトする。それだけを聞くと、よくあるサバイバルものと感じてしまうだろう。
しかし、それだけでは終わらないのがこのゲームのすごいところ。大量のゾンビ(ゲーム内ではフリーカーと呼ばれる)が徘徊する世界を生き延びるのがディーコンの目標ではあるが、物語の主軸になっているのは人間ドラマだ。
ディーコンはある日、妻を託した医師に遭遇。「妻が避難していたキャンプは全滅した」と聞いていたディーコンだが、彼と出会ったことで、妻の生存への希望を見つける。
このゲームはフリーカーだらけの世界で生き残ることがメインなのではなく、あくまでもそんな世界の中で、ディーコンは妻を見つけることができるのか、というのが物語の軸。フリーカーは世界観を作り上げるための装置でしかない。
しかし決してフリーカーの必要性がわからない、という訳でもない。フリーカー達はまるで野生動物のように巣を作って生活しているのだが、ディーコンはフリーカーの駆除をするために、その巣を壊さなければならない。
数少ない武器を頼りに、大量のフリーカーを相手にしなければならない。無論ただ倒すというわけではなく、倒したフリーカーの耳を集めれば金になる。
そういった「フリーカーがメインとなるゲーム性」と「人間ドラマがメインとなるストーリー」のバランスが、このゲームの魅力を作り出しているのかもしれない。