俺TUEE物
夏休みにWeb版を読んで面白かったので(最後まで読み通すのに丸々三日かかったが)、書籍版も手に取ってみました。
以下Web版の感想を書いておく。
転生モノは数多あれど、ゲームで頻出のやられ役であるスライムに転生し無双するという設定が秀逸。
また、序中盤で魔物達が自らの手で理想の町づくりを進めていくのを読むのが面白い。創造の喜びの追体験だろうか、知らんけど。
ただ、気になる点も幾つかあって、まず表現が稚拙な箇所がチラホラ見られる。
もっとも、これは第三者のチェックを介さないWeb上での発表だしWeb版執筆時はプロの作家でも何でもなかったのだから仕方がないと割り切るしかない。
次に、序中盤は前述の通り新興勢力として町を作り成り上がっていく過程を描いているが、終盤は主人公勢力が強すぎる。
戦いの結果が分かっているから安心して読めるとも言えるが、やはり若干冷める。
最後に、主人公は現代日本の文化を異世界で再現することによって異世界の文化レベルを上げる(そうとは書いていないが結局そういうことだろう)のだが違和感を覚えた。(唯物史観的に?、)異なる文化の間にあまりにも自明に優劣をつけすぎている気がする。
Web版が面白かっただけに、良いところはそのままに、(僕が思った)悪い箇所は直されていることを期待して、書籍版を読んでいきたいと思います。