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カードゲームの販売促進用アニメとは思えない、硬派な人間ドラマ
「大人向けカードゲーム」とうたっているだけあり、子供が見るにはちょっと心に来る作品になっています。
はっきり言って販売促進はできていない。それくらいカードゲームの描写が少ないです。逆に言えばWIXOSSを全く知らない人でも楽しく見れると思います。
どこまで行っても救いがなく、陰鬱な雰囲気が魅力的です。少女たちはそれぞれの願いを賭けてバトルに参加しているのですが、三回負けてしまえばその願いは一生かなわないどころか「反転して自分に襲い掛かる」という設定は見ていてはらはらしました。
願いが反転するってなんのこっちゃと思う人がいるかもしれません。そんな人のために説明すると、「短距離走で優勝したい」という願いが反転したら、「交通事故で一生は知れない体になってしまう」という風なものです。ただ願いが叶わないだけでなく、願うことさえも許されないような状態になってしまいます。
かといって「勝ち」をためて願いをかなえられる状態になったとしてもその願いをかなえるのは自分ではなく、自分と魂が入れ替わった「誰か」が自分の体でその願いをかなえるというものになります。そのシステムの都合上、自分自身が叶えることのできる範囲を超えて願いをかなえることができないようになっています。
そんなゲームに参加してしまった登場人物たちはみんなどこかしらに闇を抱えており、その闇がキャラクターの魅力にもなっています。
OP、EDも素晴らしいので是非聞いてみてください。